【労働】札幌地裁令和5年3月31日判決(労働判例1302号5頁)

売上の10%に相当する額を「残業手当」の名目で支払われていた賃金は、通常の労働時間によって得られる売上によって算定される部分と時間外労働等によって得られた売上に対応する部分との区別ができないとして、時間外労働等に対する対価として支払われるものとは認められない旨判示した事例(控訴審係属中)

【労働】最高裁令和5年7月11日判決(労働判例1297号68頁)

性同一性障害である職員による、同人の勤務する部署の執務室のある階とその上下の階の女性トイレの使用を認めず、それ以外の階の女性トイレの使用を認める旨の処遇の見直しを求める要求を認めなかった人事院の判定は、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となる旨判示した事例(一部破棄自判)

【労働】最高裁令和5年7月20日判決(判例タイムズ1513号80頁)

正職員と嘱託職員である被上告人らとの間で基本給の金額が異なるという労働条件の相違について、各基本給の性質やこれを支給することとされた目的を十分に踏まえることなく、また、労使交渉に関する事情を適切に考慮しないまま、その一部が労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たるとした原審の判断には、同条の解釈適用を誤った違法がある旨判示した事例(破棄差戻し)