【知的財産】大阪高裁令和7年1月30日判決(判例タイムズ1543号126頁)

控訴人が棋戦をリアルタイムで配信するときになされた被控訴人による本件動画の配信は、控訴人の営業上の利益を侵害する違法なものであって不法行為に該当し、これによって得られる利益は法律上保護される利益に該当しない旨判示した事例(上告審係属中)


【事案の概要】

(1)被控訴人(一審原告)は、グーグルが運営する動画配信サービスである「ユーチューブ」及びモイ株式会社が運営する動画配信サービスである「ツイキャス」において、棋戦のいわゆる評価値放送を配信し収益を上げている動画配信者である。
    控訴人(一審被告)は、インターネット上出、囲碁、将棋の実況中継等の番組を有料で動画配信する等の事業を営む株式会社である。

(2)被控訴人は、ユーチューブで、別紙「本件動画等目録」1ないし8及び10記載の各動画(以下「本件ユーチューブ動画」という。)につき、いわゆるライブ配信をした。
   被控訴人は、ツイキャスで、別紙「本件動画等目録」9記載の動画(以下「本件ツイキャス動画」といい、本件ユーチューブ動画と併せて「本件動画」という。)につき、いわゆるライブ配信をした。

(3)本件動画は、公益社団法人日本将棋連盟(以下「日本将棋連盟」という。)等の主催に係る王将戦及び銀河戦につき、控訴人が同連盟等から放送・配信する権利の許諾を受けて行っているインターネットサービスによる有償配信で両棋戦を観戦し、ほぼ同時に被控訴人が配信する動画の盤面上に棋譜情報(盤面の推移と指し手順の情報)を即時に再現するものである。
   なお、本件動画では、盤面のほかAIによって計算された各対局者の指し手の評価値が表示されるほか、視聴者同士や被控訴人とのチャットでのコミュニケーションが行われるが、本件動画内において、控訴人が配信する動画の映像、画像、音声そのものは表示されない。

(4)被控訴人は、本件動画を配信する以前から、リアルタイムの棋譜情報を盤面上に即時に再現してユーチューブ等で配信しており、本件動画についても、控訴人に会員登録して控訴人から配信を受けて棋戦を観戦することにより取得した棋譜情報に基づき配信をしていた。

(5)控訴人は、グーグルあるいはツイキャスに対し、それぞれ所定の方法に従って、著作権侵害を理由として動画の削除申請(以下「本件削除申請」という。)をした。そのため、本件動画は、配信が停止された。また、被控訴人に係る新規動画の配信も、停止された。
   これに対し、本件ユーチューブ動画については、被控訴人は、所定の手続に従って異議申立てをしたところ、控訴人が期限内に回答をしなかったので、上記の各動画はいずれも配信停止が解除された。   また、本件ツイキャス動画(注:時期不明であるが、本件の原審判決が出されるまでに、配信停止は解除されたようである。)については、控訴人は、収益化基準を満たしても本件の原審判決が出されるまで動画配信による収益化の道が閉ざされたままになっていた。

(6)被控訴人は、本件訴えを提起し、本件削除申請が不正競争防止法(以下「不競法」という。)2条1項21号の不正競争(「競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為」であり、以下「営業誹謗行為」という。)に当たると主張して、控訴人に対し、
  ①同法3条1(「不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。」)に基づき、被控訴人が配信する動画が控訴人の著作権を侵害する旨を第三者に告げることの差止め、
  同法14(「故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の信用を害した者に対しては、裁判所は、その営業上の信用を害された者の請求により、損害の賠償に代え、又は損害の賠償とともに、その者の営業上の信用を回復するのに必要な措置を命ずることができる。」)に基づき、グーグル等の動画配信プラットフォーマー事業者に対して本件動画が控訴人の著作権を侵害しないこと等を通知するとともに、
  ③民法709に基づき、損害賠償金338万8360円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた。

(7)原審(大阪地裁令和6年1月16日・判例秘書L07950002)は、本件削除申請が被控訴人の「営業上の利益」を侵害すると判示した上で、上記①の請求を、本件動画が控訴人の著作権を侵害している旨を第三者に告げる行為の差止めを求める限度で、上記②の請求を、本件ツイキャス動画について信用回復措置をとることを求める限度で、上記③の請求を、損害賠償金118万8960円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で認容した。
   これに対し、控訴人は、原判決を不服として控訴し、被控訴人も、附帯控訴した(なお、被控訴人は、上記③の請求につき、不競法4(「故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。」)に基づく損害賠償請求を選択的に追加した。)。

(8)原審において、本件削除申請が被控訴人の「営業上の利益」を侵害すると判断した理由は、概要、以下のとおりである。
 ア 控訴人は、被控訴人による本件動画の配信は、控訴人が配信する棋譜情報フリーライドで利用するという著しく不公正な手段を用いて控訴人ら棋戦主催者の営業活動を侵害するものとして不法行為を構成することを指摘して、本件動画の配信に係る営業上の利益は法律上保護される利益に当たらない旨を主張し、これを裏付ける証拠として「王将戦における棋譜利用ガイドライン」を提出する。
 イ しかし、棋譜は、公式線対局の指す手進行を再現した「盤面図」及び符号・記号による「指し手順の文字情報」を含むものと認められるところ、本件動画で利用された棋譜等の情報は、被告が実況中継した対局における対局者の指し手及び挙動(考慮中かどうか)であって、有償で配信されたものとはいえ、公表された客観的事実であり、原則として自由利用の範疇に属する情報であると解される。
 ウ 「王将戦における棋譜利用ガイドライン」は、棋譜の利用権等を王将戦主催者が独占的に有する旨規定するが、王将戦主催者が、原告を含めた被告の実況中継の閲覧者の関与なく一方的に定めたものであり、原告に対して法的拘束力を生じさせるものであるとはいえない。


【争点】

(1)本件削除申請は被控訴人の「営業上の利益」を侵害するか(争点1)
(2)損害の発生及びその額(争点2)
(3)差止め及び信用回復措置の必要性(争点3)
   以下、裁判所の判断の概要を示す。
   なお、上記(1)についての各当事者の主張の要旨は、以下のとおりである。
(被控訴人)
 ア 被控訴人は、本件削除申請により本件動画の配信が停止され、収益を上げることができなくなるなどした。
    イ 被控訴人は、本件動画において、将棋の対局における各対局者の指し手の情報棋譜情報)を利用しているところ、これ自体は単なる事実であり、また、違法な手段で取得したものではないから、これを他者に伝えることが違法行為になるとはいえない
    ウ 本件削除申請は、法律上保護された被控訴人の営業上の利益を侵害する。
(控訴人)
 ア 本件動画の対象となった棋戦は、王将戦及び銀河戦であるところ、これらの対局における棋士の指し手は、主催者及び協賛者の多大な労力、貢献及び費用負担のもとで成り立っている棋戦から生み出されているものであること、将棋の場合、プロ野球などの他のプロスポーツとは異なり、対局を直接観戦させるために観客を対局場所に入れて入場料を徴収することができないことから、棋戦の放送・配信をする権利を許諾することで対価を得て収益を上げる必要があることなどからすると、少なくとも、棋戦に係る対局者の指し手をリアルタイムで主催者から許諾を受けて放送、配信その他の方法により公衆に提供することによって得られる営業上の利益は、法律上保護された利益である。
 イ しかるところ、被控訴人は、控訴人に無断で、営利の目的で、かつ、反復継続して、控訴人が独占的に配信する映像からリアルタイムで棋譜情報を取得した上で、その情報に依拠フリーライドした本件動画を控訴人の配信と同時に配信した。
   そして、被控訴人は、控訴人を含む主催者及び協賛者の法律上保護された利益を積極的に害する意図を有していたもので、本件動画の配信の結果、控訴人を含む主催者及び協賛者に深刻かつ重大な損害を生じさせた。
   したがって、被控訴人による本件動画の配信は、自由競争の範囲を明らかに逸脱する悪質性の高いものであり、控訴人に対する不法行為を構成する。
 ウ 以上のとおり、被控訴人による本件動画の配信は、不法行為に該当する違法な営業であるから、同営業に係る被控訴人の営業上の利益法律上保護された利益に当たらず、本件削除申請により、被控訴人の営業上の利益が侵害されることはない


【裁判所の判断】

(1)争点1(本件削除申請は被控訴人の「営業上の利益」を侵害するか)について
 ア 認定事実
  a) タイトル戦等における主催者・協賛者の収益構造(ビジネスモデル)について
   本件動画の対象となっている王将戦を含めタイトル戦の多くは、日本将棋連盟と新聞社・通信社が主催し、その対局料・賞金を含む開催・運営費用のほとんどを主催者らが負担している。
   本件動画の対象となっている銀河戦は、タイトル戦に準じる棋戦として、日本将棋連盟と控訴人が主催しており、その対局料・賞金を含む一切の開催・運営費用を主催者らが負担している。
   そして、主催者は、棋譜情報についての独占的な利用権を有することを前提に、それらを自ら商業的に利用し、又はそれらを棋戦に係る番組として放送・配信する権利を控訴人等の配信事業者に許諾することにより、対価を得ている。
   控訴人は、王将戦については協賛者として受けた許諾に基づき、銀河戦については主催者として得た許諾に基づき、有償の放送・配信サービスを実施することにより、日本将棋連盟等主催者に支払った協賛金や契約金のほか、有償の放送・配信サービスの提供に要する費用等を回収した上で、収益を上げようとしている。
  b)控訴人による有償配信サービスの実施について
   控訴人は、王将戦については協賛金として、銀河戦については契約金として日本将棋連盟に多額の経済的負担をして、上記棋戦をリアルタイムで放送・配信する権利の許諾を受けて、インターネットサービス(注:同サービスの約款上、リアルタイムでの棋譜情報の利用が制限されているかどうかは不明である。)において棋戦の対局の有償配信をしている。
   なお、控訴人のする棋戦の配信は、棋譜情報のみではなく会場の様子や対局する棋士の表情や行動もリアルタイムで視聴できるものである上、高段者の棋士等による実況解説がなされるものである。
  c)タイトル戦等の主催者による棋譜の管理とガイドラインの策定について
   日本将棋連盟は、将棋の普及発展等を図るなどして将棋文化の向上発展に寄与することを目的とする公益社団法人であるが、その収益全体の50%超は、棋士の指し手を記録した棋譜の利用権の許諾リアルタイムでの棋戦の放送・配信の権利の許諾の対価で賄われている。
   そして、王将戦の棋譜は王将戦主催者が、銀河線の棋譜は銀河戦主催者(控訴人含む)が管理し、対局終了後も自由な使用を許していない。 
   なお、王将戦の主催者は、従来からの取扱いを明示するものとして、令和2年12月14日、主催者が新聞、出版物、電子媒体、放送媒体で棋譜を独占的に掲載・利用する権利及び利用を許諾する権利を有していることを前提として、第三者による棋譜利用に関する遵守事項や手続等を内容とする「王将戦における棋譜利用ガイドライン」を策定しており、その中で主催者の許諾を得た放送配信事業者以外の対局中の棋譜の利用を禁じている(注:他の棋戦についても同様の規制がなされており、これらのガイドラインを総称して、以下「棋譜利用ガイドライン」という。)。
  d)控訴人以外の動画配信者による棋譜を利用した配信の実施状況について
   被控訴人と同様に、棋戦についてのいわゆる評価値放送をする動画配信者(注:登録者数20万人を超える。)は、対局終了後に棋譜を利用して配信をするに当たり、棋譜利用ガイドラインに従い、所定の利用料を支払っている。 
  なお、被控訴人以外の動画配信者で、主催者の許諾を得ずに棋譜を利用して配信をしたために配信の差止めを受けた者が、複数、存在する。
 イ 検討
  a)日本将棋連盟リアルタイムの棋戦の放送・配信につき、上記アのようなビジネスモデルを採用する理由は、将棋はスポーツ競技のように大きな会場を用意して入場者から入場料を徴収することで開催・運営費用等を賄うことができないことから、会場を用意する主催者として物理的に独占できるリアルタイムの棋譜情報を、控訴人のような放送配信事業者を介して将棋ファンに提供することで、将棋ファンから上記放送配信事業者を介して対価を徴収し、これにより開催・運営費用等を賄うとともに利益を上げ、もって将棋文化の向上発展に寄与しようとしているものと考えられる。そして、放送配信事業者である控訴人の収益構造も、このようなビジネスモデルに組み込まれたものということができる。
   これに対し、被控訴人のしていた本件動画の配信は、自らは一視聴者として控訴人の配信する棋戦を観戦しながら、そこで得たリアルタイムの棋譜情報をほぼ同時に将棋ファンに対して無料で提供するものであるが、将棋ファンにとっては、被控訴人が配信する動画を視聴すれば無料で棋戦のリアルタイムでの棋譜情報が得られるのであるから対価を支払ってまでして控訴人から棋戦の配信を受けようとしなくなることが十分考えられ、現に、被控訴人の動画配信の結果、控訴人の有償配信サービスへのアクセス数は減少し、同サービスの加入者からの売上げは減少していることがうかがわれるし、被控訴人自身、控訴人による本件削除申請後、リアルタイムでの棋譜情報を提供する動画配信を止めたことで視聴率が下がったというのであるから、被控訴人はリアルタイムの棋譜情報を提供することで本件動画の視聴者を増加させていたことも推認できる。
   そうすると、被控訴人による本件動画の配信は、対価を支払って控訴人から配信を受ける将棋ファンを減少させるものであって、このことによって控訴人に対して直接的に損害を生じさせるものであるし、また、このような行為が多数の動画配信者によって繰り返されるなら、控訴人の収益構造でもある日本将棋連盟がよって立つ上記ビジネスモデルの成立が阻害され、ひいては現状のような規模での棋戦を存続させていくことを危うくしかねないものといえる。
   なお、控訴人のする棋戦の配信が、会場の映像を視聴でき、高段者の棋士等による実況解説もされているものであるのに対し、被控訴人のそれは会場の映像を視聴できるものではなく、盤面上に棋譜を再現し、AIによって計算された評価値を表示するほか、被控訴人が視聴者とチャット機能を利用した会話をするというものであって、異なる特徴を有するが、棋戦を観戦する将棋ファンにとって重要であるのはリアルタイムでの盤面の推移であって、それは文字情報(たとえば「△4三金」のように表示できる。)のみであっても足りるものと考えられるから、上記の配信内容の違いは、被控訴人がした本件動画の配信が控訴人のする配信の視聴者を減少させ、控訴人に損害を生じさせるとの上記認定を左右するものではない。
   b)控訴人が主張するようにリアルタイムでの棋譜情報の利用制限というルールは、日本将棋連盟等の主催者が一方的に定めたものにすぎず、また、主催者と契約を結ばない被控訴人は、この利用制限について法的に拘束されないが、被控訴人が侵害されたと主張する営業上の利益は、他の競争者が主催者の定めたルールに従うことで価値が増したリアルタイムの棋譜情報を利用することにより、棋戦を主催・運営するための必要なビジネスモデルが成立している中(他の動画配信者がみな一斉に被控訴人同様の行為に及べば、リアルタイムでの棋譜情報の価値は損なわれて現状のビジネスモデルは成り立たなくなると考えられる。)、他の競争者が従うルールに従わないことで競争上優位に立った上、競争者である控訴人の営業上の利益も侵害することで得ている利益であるといえるから、上記の点を踏まえても、これを社会通念上、許された自由競争で得られた利益ということはできない
   したがって、少なくとも控訴人が棋戦をリアルタイムで配信するまさにそのときになされた被控訴人による本件動画の配信は、自由競争の範囲を逸脱して控訴人の営業上の利益を侵害するものとして違法性を有し不法行為を構成するというべきである。
  c)被控訴人は、控訴人が、本件動画の配信が著作権侵害に該当しないことを認識しながら、あえてユーチューブ及びツイキャスにおける所定の削除申請手続を利用して、著作権侵害を理由とする本件削除申請をしたことが、許されない自力救済であって不当である旨も主張する。
   しかしながら、棋譜が著作物でないとする確定判例は未だない、棋譜が著作物であるとする学説が存在することは被控訴人も否定していない以上、本件削除申請当時、本件動画の配信が著作権侵害には該当しないことを控訴人が認識していたとは断定できない。
   また、本件削除申請において、著作権侵害を理由としたことが結果的に誤りであったとしても、ユーチューブ及びツイキャスを利用する上で被控訴人も拘束されるそれぞれの利用規約によれば、投稿された動画に著作権侵害があった場合だけでなく、第三者に損害を及ぼし、あるいは財産権を侵害するのであれば、ユーチューブ及びツイキャスいずれであっても、当該動画は削除対象となるものとされていることからすると、本件動画の配信が不法行為であるとの裁判所の判断が示されたならこれを理由に削除するという対応もあり得たと考えられるから、不法行為者である被控訴人との関係では、本件削除申請が不当であったとはいえない。
 ウ 小括
   被控訴人による本件動画の配信は、控訴人の営業上の利益を侵害する違法なものであって不法行為に該当しこれによって得られる利益は法律上保護される利益に該当しないから、本件動画の配信との関係では、被控訴人には不競法によって保護されるべき「営業上の利益」も「営業上の信用」もない。
   したがって、本件削除申請は不競法2条1項21号の不正競争営業誹謗行為に当たらないことから、被控訴人の、控訴人に対する、①同法3条1項に基づく差止請求、②同法14条に基づく信用回復措置請求及び③同法4条に基づく損害賠償請求は、いずれもその余の判断に及ぶまでもなく理由がない。
   また、本件削除申請により被控訴人は法律上保護された利益を侵害されたとはいえないから、被控訴の、控訴人に対する、民法709条に基づく損害賠償請求にも理由がない。

(2)結論
   被控訴人の請求は、いずれも理由がない(控訴事件につき取消自判、附帯控訴事件につき控訴棄却)。


【コメント】
  
    本裁判例は、控訴人が、日本将棋連盟からリアルタイムでの棋戦の放送・配信の権利の許諾を受けた上で、棋戦をリアルタイムで配信したときになされた、被控訴人による本件動画の配信は、控訴人の営業上の利益を侵害する違法なものであって不法行為に該当し、これによって得られる利益は法律上保護される利益に該当しない旨判示した事例です。 
   本裁判例も判示するとおり、リアルタイムでの棋譜情報の利用制限というルールは、日本将棋連盟等の主催者が一方的に定めたものにすぎず、また、主催者と契約を結ばない被控訴人は、この利用制限について法的に拘束されません。にもかかわらず、公益財団法人であり、その事業内容に一定の公益性が認められるとはいえ、私的な団体である日本将棋連盟のビジネスモデル維持の利益を前面に押し出すことによって、本件動画の配信が違法性を有し、不法行為を構成するものと判示した点(これにより、ユーチューブ及びツイキャスのいずれに対しても、棋戦をリアルタイムで配信する動画の削除を申請することが容易になるものと推認されます。)については、賛否が分かれ得るものと思われます。

 

Verified by MonsterInsights