【知的財産】知財高裁令和5年9月13日判決(裁判所ウェブサイト)

専属契約終了後には、アーティストである控訴人らとマネジメント会社で被控訴人間において何らの取決めがない以上、被控訴人がグッズ販売サイトにおいて控訴人らの肖像等を掲載し、控訴人らの肖像等が転写されたグッズを販売した行為は、不法行為法上違法となる旨判示した事例(確定状況不明)


【事案の概要】

(1)控訴人(1審原告)らは、いずれも、実演家グループ「F」(以下「本件グループ」という。)のメンバーであり、被告のマネジメントの下でアーティスト活動をしていた者である。
   被控訴人(1審被告)は、複数のアーティストが所属するマネジメント会社である。

(2)控訴人Aと控訴人Bは、訴外2名のメンバーとともに、平成22年8月1日、被控訴人との間で、本件グループに係る専属契約を締結し(以下「本件専属契約」という。)、被控訴人のマネジメントを受けながら、アーティスト活動をしていた。控訴人C及び控訴人Dは、平成24年7月、本件グループに加入した。
   控訴人らと被控訴人は、同月14日、本件専属契約を更新し、本件専属契約は、その後概ね1年ないし3年ごとに延長継続された。この間、上記訴外2名のメンバーは、本件グループを脱退した。

(3)控訴人らと被控訴人は、平成30年1月1、同日付け専属契約書及び同日付け覚書により、要旨、以下の約定で本件専属契約更新した。
 ア 控訴人らは、被控訴人に専属する実演家として実演活動をし、被控訴人は、控訴人らの実演のための交渉及びマネジメント等をする(専属契約書1条及び3条)。
 イ 被控訴人は、本件専属契約期間中、広告・宣伝及び販売促進のため、控訴人らの芸名、本名、写真、肖像、筆跡、経歴、音声等、その他の人格的権利を、被告の判断により自由に無償で利用開発することができる(専属契約書5条)。
 ウ 被控訴人は、控訴人らに対し、控訴人らの本件グループに係る実演活動に関し、報酬を支払う。実演活動のうち、ファンクラブ、ファンサイトへの出演、名称、肖像等の使用については、被控訴人が第三者から受け取る収入より、被控訴人が支出した経費を差し引いた残額の35パーセントを報酬として支払う(覚書1条)。

(4)控訴人らは、被控訴人に対し、平成31年4月9日又は10日付けの本件専属契約に係る解除通知書を送付し、本件専属契約は、令和元年7月13をもって終了した。
   控訴人らは、本件専属契約終了後も、現在に至るまで、本件グループ名でアーティスト活動を行っている。

(5)被控訴人は、以下のとおり、控訴人らの肖像及び芸名等(以下「控訴人らの肖像等」という。)を利用した(以下、これらを総称して「本件利用行為」という。)。
 ア 被控訴人の運営するウェブサイト(以下「本件被告サイト」という。)における利用
   被控訴人は、本件専属契約期間中、控訴人らの承諾を得た上で、本件被告サイトにおいて、本件グループのメンバーや活動内容等を紹介する内容のウェブページを作成した上、控訴人らの肖像写真及び被控訴人らの肖像をイラスト化した画像を掲載していた。
   被控訴人は、本件専属契約終了後も、令和元年11月30日まで本件被告サイトにおいて、上記写真及び画像を掲載していた。
   なお、本件被告サイトには、控訴人らの肖像、イラスト、グループ名及び芸名(図案化したロゴを含む。)を転写ないし記載したグッズを販売するウェブサイト(以下「本件グッズ販売サイト」という。)及び本件グループに係るファンクラブ専用のウェブサイト(以下「本件ファンクラブサイト」といい、本件被告サイト及び本件グッズ販売サイトと併せて「本件各サイト」ということがある。)へのリンクが設けられていた。
 イ 本件グッズ販売サイトにおける利用
   被控訴人は、本件専属契約期間中、控訴人らの承諾を得た上で、控訴人らの肖像等を転写したグッズを製造し、株式会社S(以下「S」という。)に指示して、同社の運営する本件グッズ販売サイトにおいて、控訴人らの肖像写真及び当該グッズを撮影した写真を掲載するとともに、当該グッズを販売していた。
   被控訴人は、本件専属契約終了後も、令和3年12月31日まで本件グッズ販売サイトにおいて、上記各写真を掲載するとともに、上記グッズを販売していた。
 ウ 本件ファンクラブサイトにおける利用
   被控訴人は、本件専属契約期間中、控訴人らの承諾を得た上で、Sに指示して、同社の運営する本件ファンクラブサイトにおいて、控訴人らの肖像写真及び本件グループ名が記載された画像や控訴人らを撮影した動画を掲載していた。
   被控訴人は、本件専属契約終了後も、令和元年11月30日まで本件被ファンクラブサイトにおいて、上記写真及び画像等を掲載していた。

(6)控訴人は、本件訴えを提起して、被控訴人に対し、
  a)被控訴人が令和元年7月13の本件専属契約終了後も被控訴人が管理・運営する本件各サイトにおいて、本件被告サイト及び本件ファンクラブサイトにつき令和元年11月30日まで本件グッズ販売サイトにつき令和3年12月31日まで、それぞれ本件グループ名及び控訴人らの肖像等を掲載している(本件利用行為)として、肖像権及びパブリシティ権侵害を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求(いずれも一部請求)として、控訴人ら一人当たり110万円及びこれに対する遅延損害金の各支払
  b)(予備的請求として)控訴人らと被控訴人との間の黙示の肖像等利用契約に基づく報酬支払請求として、控訴人ら一人当たり2万2277及びこれに対する令和元年12月1日(黙示の肖像等利用契約に基づく利用行為終了日の翌日)から支払済みまで遅延損害金の各支払を求めた。

(7)原判決(東京地裁令和5年1月20 日判決・裁判所ウェブサイト)は、
 ア 肖像権等侵害を理由とする請求については、被控訴人が本件各サイトにおいて控訴人らの肖像等を掲載した行為は、社会生活上受忍すべき限度を超えてその精神的価値を侵害するとはいえず、不法行為法上違法と評価すべきものとはいえない旨判示し、
 イ パブリシティ権侵害を理由とする請求については、控訴人らが、被控訴人に対し、ファンクラブの会員向けサービスが終了する日までは、本件各サイトにおいて控訴人らの肖像等を掲載することを黙示に許諾していたと認めた上で、
   被控訴人が、令和元年12月1日以降本件グッズ販売サイトにおいて、控訴人らの肖像写真及び控訴人らの肖像等が転写されたグッズを撮影した写真を掲載するとともに、当該グッズを販売していた行為は、控訴人らのパブリシティ権を侵害するものとして、不法行為法上違法となる旨判示し、
 ウ その余の本件利用行為については、不法行為は成立しないと判示し、
 エ 被控訴人が、控訴人らに対し、本件利用行為についての黙示の合意に基づき、本件専属契約終了から令和元年11月30日までの間のグッズ販売に関して原告ら一人当たり6700及び同期間のファンクラブに関して原告ら一人当たり1万5577の各報酬(注:合計2万2277)を支払う義務があると判示して、
 オ 控訴人らそれぞれにつき、
  a)パブリシティ権侵害を理由とする損害賠償として、損害額1万4000(注:一人当たり1万2000弁護士費用2000円を加算)及びこれに対する遅延損害金
  b)本件利用行為に係る黙示の合意に基づく報酬支払請求として、報酬金2万2277及びこれに対する遅延損害金
の各支払を求める限度で、控訴人らの請求を認容し、その余の請求をいずれも棄却した。
   控訴人らは、敗訴部分を不服であるとして、本件控訴をした。


【争点】

(1)肖像権等侵害の成否(争点1)
(2)パブリシティ権侵害の成否(争点2)
 ア パブリシティ権の侵害の有無(争点2-1)
 イ 原告らの肖像等の使用許諾の有無(争点2-2)
(3)故意又は過失の有無(争点3)
(4)損害の有無及びその額(争点4)
(5)本件利用行為に係る報酬支払請求の当否(争点5)
   以下、上記(1)、(2)イ及び(4)についての裁判所の判断の概要を示す。


【裁判所の判断】

(1)争点1(肖像権等侵害の成否)について
 ア 判断基準
   人の氏名、肖像等(以下、併せて「肖像等」という。)は、個人の人格の象徴であるから、当該個人は、人格権に由来するものとして、これをみだりに利用されない権利を有すると解される(氏名につき最高裁昭和63年2月16日判決、肖像につき最高裁昭和44年12月24日判決及び最高裁平成17年11月10日判決、両者につき最高裁平成24年2月2日判決各参照)。
   そして、ある者の肖像等を利用することが、不法行為法上違法となるかどうかは、肖像等の被利用者の社会的地位、被利用者の活動内容、利用の目的、利用の態様、利用の必要性等を総合考慮して、肖像等の被利用者の上記権利の侵害が社会生活上受忍の限度を超えるものといえるかどうかを判断して決すべきである。
 イ 控訴人らの肖像等の利用行為について
  a) 本件専属契約終了後、被控訴人が控訴人らの芸名、肖像等の人格的権利を使用する権原を有しないこと
  ①本件専属契約は令和元年7月13日をもって終了したこと
  ②控訴人らと被控訴人の間においては、本件専属契約期間中、被控訴人が控訴人らの芸名、写真、肖像、その他の人格的権利を自由に無償で利用開発することができるとされていたが(本件専属契約書5条)、本件専属契約書には、これらの権利についての本件専属契約終了後の取扱いに関する規定は何ら置かれていなかったこと
が認められ、
   これらによると、本件専属契約終了後、被控訴人は、控訴人らの芸名、肖像等の人格的権利について、被控訴人が使用する権原を有しないこととなったといえる。
  b)前提事実
  ①控訴人らは、実演家グループである本件グループのメンバーとして、被控訴人のマネジメントの下でアーティスト活動をしていたところ、本件各サイトに掲載されていた控訴人らの肖像等に係る写真及び画像は、本件専属契約期間中に、被控訴人によって。控訴人らの承諾を得て撮影及び作成され、本件グループのメンバーや活動内容等を紹介する目的で掲載されていたものであり、また、控訴人らの肖像等が転写されたグッズについても、同様に控訴人らの承諾を得て製造及び販売されてきたものであったこと
  ②控訴人らは、平成31年4月24日付けの書面において、被控訴人に対し、本件ファンクラブサイトを含む被控訴人が管理するウェブサイトから控訴人らの肖像等を削除するように求め、令和元年6月14日に同年7月13をもってファンクラブを閉鎖する旨をSNS等において告知する予定である旨を通知したこと
  ③これに対し、被控訴人は、同年6月12日付けの書面において、控訴人らに対し、本件グループのファンクラブにおける会費等の支払については各携帯電話会社の課金システムを利用しており、課金の停止には約2か月弱を要することを前提として、課金を停止した上で本件ファンクラブサイトを閉鎖することができるのは最速のスケジュールで同年9月末となる予定であるとともに、控訴人らが同年7月13をもってファンクラブを閉鎖する旨をSNS等によって告知すれば混乱を招き、関係者やファンに迷惑がかかることを理由として、当該告知を延期するように求めたこと
  ④これを受け、控訴人らは、被控訴人に対し、同年6月14日付けの書面において、関係者やファンたちのことを考え、同日にSNS等でファンクラブを閉鎖する旨を告知することを延期する等と通知したこと
  ⑤被控訴人は、同年7月8日、本件ファンクラブサイトの運営を担当しているS担当者から、ファンクラブ会員向けの会費決済サービス業者のうち1社について同サービスを終了させるまでに時間を要することが判明したため、ウェブサイトのファンクラブ会員サービスの提供停止同年12月1日以降となるとの連絡を受けたこと
  ⑥これを受け、被控訴人は、同年7月14、本件被告サイトにおいて、同年12月1日以降ファンクラブサイトの会員サービスの提供及び本件被告サイトにおける情報提供を終了する旨を掲載したこと
  ⑦被控訴人は、同年11月30をもって、本件被告サイト及び本件ファンクラブサイトにおける控訴人らの肖像写真及び控訴人らの肖像をイラスト化した画像等の掲載を取りやめたこと
  ⑧被控訴人は、本件専属契約終了後も、令和3年12月31日まで、Sが運営する本件グッズ販売サイトにおいて、本件グループの公式ショップとして、控訴人らの肖像写真を表示した上で、控訴人らの肖像写真及び控訴人らの肖像をイラスト化した画像を転写したグッズを撮影した写真を掲載して、当該グッズを販売していたこと
が認められる。
  c)判断
   以上によると、控訴人らは、本件グループのファンクラブの関係者やファンの混乱を招いたり、迷惑をかけたりすることを防ぐため、被控訴人に対し、同ファンクラグの閉鎖時期を、課金システム上の理由から同ファンクラブの会員サービスの課金を停止して同会員サービスの提供を終了することができる時期まで延期することについて黙示の許諾をしたと認められ、
   また、同ファンクラブが存続する限りは、会費を支払った会員に対し、本件グループのメンバーや活動内容等を紹介する記事を閲覧させるために、本件ファンクラブサイト及び本件ファンクラブサイトにリンクする本件被告サイトにも控訴人らの肖像等を掲載する必要があったといえることからすると、控訴人らは、本件ファンクラブサイトの閉鎖が可能となる時期まで本件被告サイト及び本件ファンクラブサイト控訴人らの肖像等が掲載されることについても黙示の許諾をしていたと認められる。
   他方で、前記b)④の控訴人らから被控訴人に対するファンクラブを閉鎖する旨の告知を延期する旨の通知は、控訴人らが、課金システムにおける課金停止時期との兼ね合いで、関係者やファンたちのことを考え、控訴人らにおいて、本件ファンクラブサイトの閉鎖が可能となる時期まで、やむなくファンクラブサイトの閉鎖の時期を延期し、それに伴い本件被告サイト及び本件ファンクラブサイト控訴人らの肖像等が掲載されることとの限りにおいて黙示の許諾をしたものと認められるが、そのようなやむを得ない事情を超えて、控訴人らにおいて、本件専属契約終了後も、被控訴人が、本件グッズ販売サイトにおいて、本件グループの公式ショップとして、控訴人らの肖像写真を表示した上で、控訴人らの肖像写真及び控訴人らの肖像等が転写されたグッズを撮影した写真を掲載するとともに当該グッズを販売し続けることを許諾していたと認めるに足りる合理的な理由はなく、また、同許諾をうかがわせる事情の存在も認められず、同許諾を認めるに足りる証拠は存在しない。
   この点、被控訴人は、本件専属契約終了後に、本件グッズ販売サイトにおいて控訴人らの肖像等を利用したことについても、飽くまで会費を支払ったファンクラブ会員に対してグッズの在庫を販売するためのものであり、控訴人らの肖像権等の侵害にならないと主張する。
   しかしながら、前記a)のとおり、控訴人らの肖像権等の使用に関する約定がされた本件専属契約が終了し、かつ、本件専属契約には契約終了後の同使用の取扱いに関する約定がないのであるから、控訴人らから被控訴人に対して別に同使用についての許諾がない場合には、被控訴人による控訴人らの肖像等の使用は無権原者による使用となるものであって、たとえ在庫をさばくために製造済みの同グッズを販売して投下資金を回収しようとしたものであったとしても、本件専属契約終了後には、控訴人らと被控訴人間において何らの取決めがない以上、本件グッズ販売サイトにおいて控訴人らの肖像等を利用し、控訴人らの肖像等が転写されたグッズを販売できるものではない。
   そして、
  ・控訴人らは本件グループのメンバーとして、アーティスト活動を行っていること
  ・被控訴人においてグッズ販売よる利益を得ること目的としていたこと
  ・被控訴人は、本件グッズ販売サイトにおいて、本件グループの公式ショップとして、控訴人らの肖像写真を表示した上で、控訴人らの肖像写真及び控訴人らの肖像をイラスト化した画像を転写したグッズを撮影した写真を掲載して、当該グッズを販売していたこと
  ・被控訴人は、控訴人らからの肖像等の使用停止を求める要求があることを知りながら、本件専属契約終了後から令和3年12月31日までの相当長期間、控訴人らの許諾なく利用し続けたものであること
などを総合考慮すると、これらは控訴人らの肖像権等の侵害となるものであって、被控訴人による控訴人らの肖像権等の侵害が社会通念上受忍の限度を超えるものではないとすることはできない。
  d)小括
   したがって、本件専属契約終了後から令和元年11月30日までの間、被控訴人が本件被告サイト及び本件ファンクラブサイトにおいて控訴人らの肖像等を掲載した行為は、不法行為法上違法と評価すべきものとはいえない。
   他方、本件専属契約終了後から令和3年12月31日までの間、被控訴人が本件グッズ販売サイトにおいて控訴人らの肖像等を掲載し、控訴人らの肖像等が転写されたグッズを販売した行為は、不法行為法上違法と評価すべきものといえる。

(2)争点2-2(原告らの肖像等の使用許諾の有無)について
   前記(1)イc)のとおり、控訴人らは、被控訴人に対し、本件専属契約終了後、ファンクラブの会員向けサービスが終了する令和元年11月30日までは、本件被告サイト及び本件ファンクラブサイトにおいて控訴人らの肖像等を掲載することを黙示に許諾していたといえるが、
   本件専属契約終了後本件グッズ販売サイトにおいて控訴人らの肖像等を掲載し、控訴人らの肖像等が転写されたグッズを販売することについて許諾していたとは認められない。

(3)争点4(損害の有無及びその額)について
 ア 控訴人らの肖像権等の侵害による損害について
   前記(1)イのとおり、令和元年7月14日以降令和3年12月31日までの2年5か月18日間という相当の長期間、継続して、被控訴人が本件グッズ販売サイトにおいて本件グループの公式ショップとして控訴人らの肖像等を掲載した行為により、控訴人らの意思に反して、控訴人らの肖像等が利用されていたものであり、控訴人らは精神的な苦痛を受けたものと推認されるところ、
   その慰謝料は、控訴人らの本件専属契約終了までの活動内容、控訴人らの肖像等の使用が本件グッズ販売サイト及び販売グッズにおける利用という営利目的によるものであったこと、上記の侵害態様侵害期間などを考慮すると、控訴人らそれぞれについて15万円を下らないと認めるのが相当である。
 イ 控訴人らのパブリシティ権の侵害による損害について
   略

(4)結論
   控訴人らの被控訴人に対する請求は、控訴人らそれぞれにつき
  ・肖像権等及びパブリシティ権侵害を理由とする不法行為に基づく損害賠償として損害金19万6000(注:肖像権等の侵害による損害金(慰謝料)15万円及びパブリシティ権の侵害による損害金2万6000に弁護士費用2万円を加算)及びこれに対する遅延損害金
  ・本件利用行為に係る黙示の合意に基づく報酬支払請求として報酬金1万5577(注:本件専属契約終了から令和元年11月30日までの間の本件被告サト及び本件ファンクラブサイトにおいて控訴人らの肖像等を掲載することに関するもの)及びこれに対する遅延損害金
の各支払を求める限度で理由がある(原判決変更)。


【コメント】

   本裁判例は、本件専属契約終了後には、控訴人らと被控訴人間において何らの取決めがないことを指摘した上で、被控訴人が、専属契約終了後から令和3年12月31日までの間、グッズ販売サイトにおいて控訴人らの肖像等を掲載し、控訴人らの肖像等が転写されたグッズを販売した行為は、不法行為法上違法となる旨判示した事例です。
   本裁判例は、本件グッズ販売サイトにおける控訴人らの肖像等の掲載等について、控訴人らの肖像権等の侵害を認めている点、及び、控訴人らのパブリシティ権の侵害期間の始期を専属契約終了後としている点で、原審の判断を変更しています。

 

“【知的財産】知財高裁令和5年9月13日判決(裁判所ウェブサイト)” への1件の返信

コメントは受け付けていません。

Verified by MonsterInsights