【交通事故】名古屋地裁令和5年2月24日判決(自保ジャーナル2153号95頁)
原告が罹患していたアルツハイマー型認知症は進行性の病変であり、その進行・悪化と本件事故との因果関係を肯定するには、本件事故の受傷を原因として、原告の認知症が通常の経過(自然的経過)での進行・悪化よりも急速に進行・悪化した事実が必要と判示した上で、本件事故と原告の認知症の進行・悪化との間に因果関係を否認した事例(控訴後和解)
決め手となった証拠は何か。その後、どうなったのか。
原告が罹患していたアルツハイマー型認知症は進行性の病変であり、その進行・悪化と本件事故との因果関係を肯定するには、本件事故の受傷を原因として、原告の認知症が通常の経過(自然的経過)での進行・悪化よりも急速に進行・悪化した事実が必要と判示した上で、本件事故と原告の認知症の進行・悪化との間に因果関係を否認した事例(控訴後和解)
本件事故直後の原告の下肢のMMTがゼロ(ほぼ完全麻痺)とされたことには、事故当時の多量の飲酒が大きく影響していることを指摘した上で、主治医が頸髄中心性損傷の診断の根拠とした臨床的特徴を総合的考慮して、原告の頸髄中心性損傷を否認した事例(確定)
原告の右下肢の可動状態の回復状況、職種その他の事情に照らして、逓減方式にて休業損害を算定し、原告の年齢を考慮して、後遺障害逸失利益の基礎収入を、症状固定時の男性高卒全年齢計の469万9400円の約89%とした事例(控訴審確定)
原告が本件事故による治療を開始した当初から手首の痛み等を訴えていたとは認め難く、TFCC損傷は本件事故による傷害とは認められない旨判示した事例(確定)